ボルゴの火災の間 ピオクレメンテ美術館 バチカン美術館

2020年1月訪問 イタリアからコロナがなくなるまで書き続けます。

 ★ボルゴの火災の間 ピオクレメンテ美術館 バチカン美術館

 『ボルゴ火災の間』はルネッサンス期のレオ10世が、歴代のレオが付く教皇時代に起きた出来事を題材として描かせた部屋です。

 


 どこが火事かよくわからないのですが、右側の人たちがバケツリレーならぬ陶器リレーをしている姿と、左側で赤ちゃんを壁の中から外の人に手渡そうとしている様子や、左の隙間から燃え盛る炎が少し見えるので火事と分かります。

 この壁画は、847年にローマの近くの『ボルゴ』で発生した火災をレオ4世の奇跡で鎮火したという言い伝を題材にしたものです。

 この作品には『ラファエロ』はデザインをしたといわれています。




 この作品は『カール大帝の戴冠』です、カールに王冠をかぶせているのは『レオ3世』です。

 『レオ三世』は貧民階級の出身ですが、795年に教皇になりました。彼が貧民の出身だということで、反発する人も多かったようです。799年には暗殺者に襲われ、這う這うの体でアルプスを越えてフランク王国の『カール大帝』に庇護を求めます。
 その後、『レオ三世』は『カール大帝』の援護のもとでローマに帰ります。

 そのお礼に、『レオ三世』は『カール大帝』をその時不在位であった神聖ローマ帝国の皇帝として戴冠させたのです。

 助けられたのに、法王の方が偉そうですね。

 このあたりの話は、ヨーロッパの中世を扱った本を読むと面白いと思います、ただし非常にぐちゃぐちゃですから、なかなか理解できません。




 これは『オスティアの闘い』9世紀にローマのオスティア湾で教皇軍がサラセン軍を破った時の模様です。