★マルク シャガール 現代美術の展示のエリア バチカン美術館

『シャガール』も私の大好きな画家の一人です、とても幻想的な絵を描く人なんです。
しかし、特別展の図録を読んでびっくりしました、『シャガール』には現実が自分が描いた絵のように見えているというのです、しかも彼自身がインタビューに答えてそう言っているんです。
この絵もそうですが、キリストと、画家とモデルがキャンバスの中で混然一体となりとても幻想的な空間を作っているように見えるのですが、シャガールにはこう見えているんですね。
Crist and the Painter the artist and his Model. 1951

これも聖書からですね、ヤコブは悪事を働いて家にいられなくなります、旅の途中で夢を見ます、その夢では天使がはしごを上ったり下ったりしていました。ヤコブは深く罪を悔いるのです。
Jacob's Dream 1977

本当に感動的です、素朴で抽象的な表現だからこそ、シャガールだからこそこんな『ピエタ』が描けるんですね。
階段はキリストを象徴しています、そしてこの階段でキリストは昇天していくことも象徴しているのでしょう、本当にいつまでこの絵の前にいても去りがたい思いがしました。
たぶんツアーなどで来るとここはショートカットされてしまう可能性が強いです、ぜひこの1枚を見てください。
Red Pieta 1956