サンドロ・ボッティチェリ ウフイッツイ美術館 フィレンツェ


2020年1月訪問 イタリアからコロナがなくなるまで書き続けます。

 
★サンドロ・ボッティチェリ ウフイッツイ美術館 フィレンツェ


 今日から何日かかけて、『ルネサンス』の巨匠に数えられる『サンドロ・ボッティチェリとその作品についてお話ししたいと思います。

 彼は、1445年にフィレンツェに生まれています。兄の『アントニーオ』が金細工の工房に弟子入りしていたので、『サンドロ・ボッティチェリ』も、この工房にかかわっていたと推測されています。

 1464年ごろからは破戒僧『フィリッポ・リッピ』の工房で学んでいました。

 さて作品を見てみましょう
『ユディットの帰還』 『ホロフェルネスの遺骸の発見』 1470年頃





 「ユディット」の物語は前にも触れましたので簡単に説明します。ユデットの住むベトリアはアッシリア軍に包囲されます、ユディットは単身敵陣に乗り込み敵将の寝首を掻きます、大将を失ったアッシリア軍は撤退します、こうしてユディットはベアとリアを救いました。旧約聖書のお話です。

 この作品も、『ピエロ・デ・フランチェスカ』の『ウルビーノ侯爵夫妻』と同じように「デイプティク」(二連画)でした。

 この作品は『ドルフォ・シリガッティ』から大公『フランチェスコ1世』の第二婦人『ビアンカ・カッペッロ』への寄贈品であったとの記録が残っています。

 『サンドロ・ボッティチェリ』がまだ20代前半の頃の作品ですね、

 私は、この作品にみられるように、現代のイラストを思わせるような軽いタッチが好きです。

 『ユディット』はフィギュアにしたら人気が出そうなキャラクターですね。

 そして一転して『ホロフェルネスの遺骸の発見』では、かなり写実的で生々しい彼の遺骸のギャップが面白いと思います。

 そしてこの二枚に共通して言えるのは光の使い方ですね、『ユディットの帰還』では、光が剣を持ち胸を張って、『ベトリア』に凱旋する彼女の足から腰のあたりに日が当たり、よりそのイメージを鮮明にしています。

 いっぽう、『ホロフェルネスの遺骸の発見』では、首を討たれ無残に横たわっている『ホロフェルネス』を含む全面に強い光があたり、遺骸をより克明に映し出しています。
 天幕の隙間から外が見えて、奥行きの広がりを作り出しています。

 まだまだ続く『サンドロ・ボッティチェリ』お楽しみください。