
2020年1月訪問 イタリアからコロナがなくなるまで書き続けます。
★背景に隠された秘密 プロメティウスの間 パラティーナ美術 ピッティー宮
ルネサンス時代には、一枚の絵の中に複数の時代や物語を書き込むことがある
ということを書きました。
そして前回は「アンナとヨアキム」についてご紹介しました。
それでは、この絵の左側に書き込まれているのは何でしょう。
見てください、右側はおなかの大きくなりかけたアンナが描かれていて、
左側にはアンナに子どもが生まれてお祝いに来た数人の女性が描かれているのです。
もう一度全体を見てみましょう。
この物語が聖母子を中心に一枚の絵におさめられているんですね。
そしてその三つの物語が自然に感じられるように遠近法を利用した立体構成に
なっています。前面の床のタイルと、その右翼のタイルの大きさ
が違うことによってこの面での奥行きが作られています。
そして人の大きさと、左の天井の行使の大きさの違いで、
自然に奥行きが感じられ、聖母子が前へポンと浮き出したかのような印象を与えています。
なんか、リッピがますます好きになってきますね。