絵を見て考えた インバンナータの聖母 ラファエロ


2020年1月訪問 イタリアからコロナがなくなるまで書き続けます。

 

★絵を見て考えた ラファエロ インバンナータの聖母 パラティーナ美術館

 

改めてこの絵を見てください。

 

 

この絵を見ていろいろなことを考えました。

まず目についたのは、『聖母マリア』も『キリスト』も向かって左を見ていることです。

この『キリスト』の体の姿勢はどこかで見ていますね、そうです、これは

ミケランジェロ』が考えた体をねじる姿勢ですね、それと見てください、

 

 

荒野の預言者ヨハネ』ですが『ダヴィンチ』の描く『洗礼者ヨハネ』に、

テイストがよく似ていませんか?この時期は、『ダヴィンチ』も『ラファエロ』も

共にバチカンにいた時期で、『ラファエロ』は『ダヴィンチ』を敬愛していましたから、

影響を受けても不思議はありません。

 

 

そしてこの『聖母マリア』はしっかりとつぶらな目を開いています。

ラファエロ』の描く聖母は、美しく、上品ですね。

 

 

また見てください、『キリスト』の表情、彼も目を大きく開いて、天使を見ています。

少し笑みを浮かべているようにも見えます。

さらに、この絵の中には他の絵でよくみられる、これから『キリスト』が受けるであろう象徴的なものが何も書き込まれていません。

 

また、最初に戻って、絵の全体を見てください、そこにはこの時期の約束事だった、

三角形がなく、『キリスト』を中心に全体的に丸く収まっていることです。

これは偶然ではなく、初めは洗礼者『ヨハネ』が立っていたのを書き直したことが、

X戦の透視で分かったことからもよく分かります。