何とも不可思議な 勝川春草 サントリー美術館       ミネアポス美術館 日本画の名品


2021年7月訪問

 

何とも不可思議な 勝川春章 サントリー美術館 ミネアポス美術館 

日本画の名品

 

『勝川春章』(1726-1793)頃

『勝川春章』は江戸時代の浮世絵師です。

自ら勝川派を名乗り浮世絵界では大きな勢力を持ちました。

葛飾北斎』も若いころは勝川派の門下に籍を置いていました。

 

《美人図》江戸時代 18世紀

 

不思議な絵です、上半分はまるで空白です。

場所がどこかなのかも行灯だけではわかりません。

女性が手ぬぐいのようなもので、上から下がってくる何かを取ろうとしています。

近づいていてみます。

 

 

うっすらと線が見え、上から下がってきたものはどうやら蜘蛛のようです。

特別展の説明書きでは年代は記されていませんでしたが、

『勝川春章』が(美人画)を描いたのは晩年と言われています。

この作品もこれだけの舞台装置で実にその時の情景を伝えています。

何もないことがかえって印象を深くしているような気がします。