墓碑に込める思い モンパルナス墓地 パリ


この墓地にはとてもユニークなものや芸術性溢れるお墓が多いんですよね、その中でいくつかを紹介します。

 Jacques Theron(1899‐1919)20歳で亡くなった青年のお墓です。夭折した青年に対する家族の悲しみが伝わってきます。

 

(2022年11月撮影 i-phone12pro)

 このお墓に作られた彫刻は「花を広げる痛み」と名ずけられています。上から下へと連なって落ちていく薔薇のつぼみが下にまで落ちていきます。この青年がまだつぼみのうちに亡くなってしまったことを象徴しているようです。

この墓石の作者は、エルネスト・アンリ・デュボア(1863-1931)です。

 

 バルサタール・ロボ(1910-1993)スペインの彫刻家のお墓です。ピカソとも親交があったようです。

(2022年11月撮影 i-phone12pro)

 遥か彼方から歩いてきてとうとうここで力尽き地面に膝をつきました。そんな思いを彼はこの彫刻に表現したかったのだろ思います。

 何故なら彼は、スペイン内戦のためにフランスに亡命してきました、そしてまたフランスでも第二次世界大戦に巻き込まれていきます。ピカソは《ゲルニカ》を描いてスペイン内戦を引き起こしたフランコ体制を非難します。そしてその独裁的なフランコナチスドイツが支援したのです。どこまで行っても逃げ場がない、そんな過酷な時代的状況の中を生きぬいてきたすさまじさを感じさせる作品です。

 このモニュメントは墓碑ではありませんがとても興味深いものなのでご紹介します。

(2019年10月撮影 i-phone12pro)

 シャルル・ボードレールの慰霊碑です、現在70代以上の方は青年時代に微熱を帯びるようにボードレールの詩を読んだ記憶をお持ちの方もおられるのではないでしょうか。

 この慰霊碑の上部にはボードレールが手をぐーにして顎を載せています、あたかもあたりを睥睨しているかのようです、そして支柱部分には骸骨の蝙蝠がべったりと張り付いています、そして底部にはミーラのような形をしたボードレールが彫られています。

 何とも不思議な慰霊碑です、この慰霊碑を作成するにあたっては資金面で、問題が起こり裁判にまで発展したようです。この慰霊碑を最初に見たときに何であるかわかりませんでした。

 この慰霊碑の作者はホセ・ド・シャルモイ