今回からはサン・ジェルマン・デ・プレ教会に置かれている美術品や歴史的価値のあるアイテムについてご紹介します。

聖ペテロ像
ペテロ像は説教台の後ろ、側廊側に置かれています。
ペテロは目を見開いてまっすぐ前を見据えています、あたかも見る者の心の中を見透かしているようです。そんなすごさがあります。
どうしてこの像が「聖ペテロ」とわかるかというと左手にカギを持っているからなんですね。これが「天国へのカギ」なんです、だからでしょうか人の心の中までをのぞき込むような厳粛な表情をしているのでしょうね。
ちょっと意味合いが違いますが、日本では天国に行くか地獄に行くかを決めるのは閻魔さんですよね、その意味では聖ペテロは同じような役割を持っているのでしょうか?
そして、右手は人差し指と中指を上に向けています、こらはピースサインではないんですよ、この指の意味はキリストの属性が「神」性と「人」性にあることを示しています、さらに折りたたんだ3本の指は(父と子と精霊)の三位一体を示すといわれています。
こんなところにキリスト教の奥義ともいわれるサインが隠されているんですね。
余談ですが、少し前に出された足の先が光っているのは、礼拝者がこの足に触っていくので塗料がはがれこのようになったのです、日本でも神社に置かれている牛の頭がこのような状態になっていることを目にしますね。
またこの作品という意味から見ると少し出された足によってこの像が平面的になるのを妨げてより立体性が増しているわけですね。
ジャン・カズィミール・ヴィエシュ二オフスキ枢機卿の記念碑
この記念碑は前のペテロ像の反対側にあたる身廊礼拝者席のほうに位置しています。

ジャン・カズィミール・ヴィエシュ二オフスキ(Jan Casimir Wyszynski 1609-1672)という人はどういった人だったかと言いますと、ポーランド=リトアニア共和国の王様でした(在1648-1668)。その王様がどうしてここにお墓があるかというと、彼が退位した後にこの修道院に隠棲しそしてここで亡くなったからなんです。多分莫大なお布施をこの教会に払ったんでしょうね子らは私の推測です。
この記念碑兼説教台は大理石と青銅で作られています。天蓋は二人の天使が支えています。黒い天使ですね。この中央には金色に輝く部分があります、これは黄金の十字架です、この十字架で、墓碑としての「復活」と「永遠の命」の希望を示すことになります。ジャンはポーランド王でしたからこの世での栄華を極めたわけです、そして退位後修道士としての生活を送りました、このことは世俗から信仰に生きる道に入った人間にとって十字架はその生き方の象徴であったわけです。
そして黒い天使(悲しみと死)の中心に黄金の光が死後の希望を示すものです。
この記念碑の土台部分に埋め込まれている銅板の浮彫は「キリストの降架」が描かれています。これも死後の希望と救済を意味しています。
そしてこの台座の両脇の女性ですが、この女性も同じように、左側が悲嘆です死ぬことについての深い悲しみは、キリストの死と同視されます、そして左側は信仰を現わします、つまり信仰による救済と希望を現わしているわけです。
今回は2点を紹介しました。次回も同じように何点かをあげてご紹介していきたいと思います。
2025年4月訪問i-phne15pro