ノートルダム大聖堂はそれこそたくさんの美術品があります、それはもちろん教会の信仰心を高める為の聖なるものですが、その時代を代表する芸術家たちの作品であるだけに素晴らしい美術品でもあります。
絵画や彫刻そして工芸品などはブルジョワジーが勃興してそれらの購買層となるまでは、王侯貴族と、教会が主な購買者でした。
教会にたくさんの人を集めそこで布教活動をするためには欠かせないアイテムだったわけです。

作品「聖母子像」です。この彫刻の作者はアントワーヌ・ヴァセAntoine Vasse(1681-1736)で1722年に作成されました。
彼はルイ14世と15世につかえ、ノートルダム大聖堂内陣装飾に携わりました。
彫刻を見てみましょう、マリアはとても穏やかな表情でイエスのほうを向いています。目を開いていますが、どことなく憂いを含んでいるようにも見えます。
マリアの纏うローブの柔らかさや緩やかさが見事な衣紋となって表願されています。
イエスは1枚の切れに巻かれています。左手は掌が見えるように前に突き出されています、これは人々に対する受容を現わしているのでしょうか?右手は静かのマリアの手に重ねられています。
この像は内陣の束柱の側に置かれています。とても良い佇まいで、その景色の中に納まっており思わず見入ってしまう彫刻の一つです。

画像のキャプションで聞きましたがこれは何でしょう?
これは洗礼盤と言って、キリスト教の重要なキリスト教徒になる証としての儀式、洗礼式を行う際に水を入れておく容器です。
信者になる人は水の中で一回死んでそして蘇るという体験を疑似的にするわけです。

この人物は洗礼者ヨハネです。ヨハネはユダヤ教の宗教者であり預言者と聖書に書かれています。イエスはこのヨハネから洗礼を受けました。
また、彼はサロメが躍った踊りの褒美としてヨハネの首をヘロデ王に要求したというお話でも有名です。
それではこの作品を見てみましょう。
題名は「聖ヨハネ(洗礼者ヨハネ)Saint Jean-Baptiste)」です。
南側廊に設置してある洗礼盤で、ブロンズでできています。
作者は不明です。
ヨハネはラクダの毛皮をまとい、荒野で改修を皆に呼び掛ていたと聖書に書かれています、右手を挙げて指を立てる行為は「見よ、神の子羊を」(Ecce Agnus Dei)という意味の象徴とされています。
この飾りではヨハネは三角形の容器の上に立っています。この形はただの思い付きではなく天上界、新生、精霊の降臨を現わす三角形と言われています。
新生はキリスト教徒の誕生すなわち洗礼、三角形の頂点は天上界を意味しています。
また、三角形の縁の部分には「ユリ」と「松ぼっくり」が装飾として配されています。
ユリはキリスト教的な解釈としては「純潔」や「献身」または「新しい命」としての意味を持ちます。マリアの解体を告げに来る天使ガブリエルが手にしているのもユリが多いとされています。
松ぼっくりは冬になっても緑を保つ常緑樹であるところから初期キリスト教では永遠の命の象徴とされていました。
また、「精霊」や「霊的目覚め」「再生」などの意味をも持ち洗礼難などにはよく用いられているようです。
私にとっては教会は信者ではありませんが宗教を考える場であり、芸術作品を楽しむ場であり、その作品の中に込められている様々な意味を理解する良い学校といえます。
2025年4月訪問 iphne15pro