今回からノートルダム=ド=ロレット教会をご紹介します。
まずは位置関係をグーグルマップでご確認ください。

特に近くにはランドマーク的な物はなくあえて言えば北西におぺら・ガルニエが位置しています。
この教会は1823年から36年にわたって建てられて比較的新しい教会です。
この教会の意義はフランス革命で荒廃したパリの街や教会などを再建し、理念的にも宗教と国家の再構築を目指したものです。

この教会が建てられた時期は王政復古から7月王政期にあたります。
このため、様式は新古典主義、再びローマ的な精神的支柱が望まれた時代でした。
建築家はルイ・イポリット・ルドで、この人は新古典主義建築の第一人者です。
さて、内部を歩いてみましょうローマの神殿や教会を思わせるコリント様式に似た円柱が内陣と外瘻を分けています。
円に設えられた柱頭も装飾的で神殿を想起させます。
リズミカルに並ぶ円柱、素材は明るい灰白色の大理石で室内を明るく見せます。
その上には大きな窓と絵画がこれまたリズミカルに並べられ、外の光をふんだんに取り入れ教会内を隅から隅まで照らし出しています。
また,この教会の格子天井、非常に手の込んだ巧緻性の高いものなので見落とすことがないようにしてくださいね、ただし、天井に見とれて歩いていると躓く恐れがありますのでご注意を。
格子は長方形と正方形がこれまたリズムを持って配置されています、金際の中に黒を基調とした色彩が何とも言えないノーブルさを醸し出していますよね。
そして円柱の上に置かれた絵画これはさながら19世紀フランス宗教画の総合展示、美術館と化しています。壁一面に連続的に物語性のある宗教画が続きます。
この壁面を見ていると絵画は絵画としての主張をやめてこの内装の一部として見事なおさまりを見せています。
また、右手には木製の説教台そして左手には木彫に人物像、見事にこの画角の中に納まります。
そしてこの二つの素材は新古典主義の中に置かれたバロック的な宝石にも見えます。
人は流動的今にもこの場面から抜けて出てきそうです。
スタティックな新古典主義的な空間にこうしてあえて表現力のあるドラマを埋め込んでいるのは見事としか言いようがありません。
この教会の建設意義でもある、宗教的秩序の復活こうした整然とした空間構成のなかにも人間性を感じられるものあえて表情の豊かなものを配置していくことで祈りに来る人達の心を止め、この木造がこの世界に入ることをいざなっているのですね。
そして半円形のアーチが作られその先にある空間への期待を誘います。