ノートルダム・ド・ロレット教会のすぐれた芸術性と、そこに隠されたカソリックの奥義について「玉座の聖母」のページで説明しました。
今回は聖マリアが一人で胸に手を合わせて立っています。

この礼拝堂は前回の「玉座の聖母」と違いとてもシンプルな構成になっています。
白い大理石の支柱が左右にありその上にペディメントが載っています。
ペディメントの下には銘文が書かれています。(SANCT MARIA SINE LABE CONCEPTA)
これは「穢れなき御宿りの聖マリア」
二本の大理石の白い柱とペディメント、そして左右対称な構成はまさに古典主義的でギリシャ神殿を彷彿とさせます。これは19世紀のフランス教会建設には典型的なものといえます。
改めて全体を見てみましょう。ペディメントと支柱で囲まれた中心には聖マリアが胸で手を合わせ静かに目を閉じています。マリアの身を包む衣装は重量感を感じさせ、衣紋は地面に触れたときの生地の翻りまでしっかりと精緻に描かれています。そして像は無垢のマリアを象徴するかのように白い素材で作られています。
この作品の作者はDenis Foyatier(ドニ・フォワティエ 1793-1863)です,彼はまさに新古典主義の高名な彫刻家で、フランス人です。ルーブル美術館にも何体もの作品が展示されています。
また、視線をこの礼拝堂の全体に移しましょう。マリアの背後はやはり金色に色彩されています、そして両脇にはちょうどマリアを囲むように百合が描かれています、ユリはキリスト教では、無垢を現わす花とされています。
ペディメントのヴォールトはマリアを現わす青で塗られ地模様のように星が描かれています。
天井はやはりローマ式で格子天井には金色のロゼットがこの場の厳かさを強めています。
明かりはマリアの側に太い蝋燭が二本づつ対象に置かれています、そしてその外側には金色に輝く釣りランプがあります、私としてはちょっと近代的すぎるかなと思います。
このランプによってマリアが舞台に立つ女優のように照らし出されるという仕掛けです、もともとは蝋燭だったのでしょうか?
この造り全体は大理石の基台の上に据えられています、そしてこの基台の上には黄金の十字架にかけられたキリストが飾られています。
この景色全体は19世紀の教会建築の要素を凝縮して現わしているので、この教会に行った際にはぜひゆっくりと鑑賞してください。
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